朝目が覚めて、家事をこなしていると外からジーーーー……っと聞きなれた虫の鳴き声。
アブラゼミかしら?
個人的に、暑くなりだす目安にしているこの鳴き声、ついに聞こえてきました。
靴箱に眠っていたお気に入りのサンダルを手入れして、これまたお気に入りの日傘をさして。
身軽なお洋服に身を包みながら、お散歩がてらのお買い物。
今日はどんな材料が並んでいるかしら?
口がさっぱりしたものを欲しがっていたので、夏らしい食材を使った料理など……。
お魚売り場に通りかかったら、なんともまぁまるまるとしたアジが。
三枚におろして酢漬けもいいけれど、ここのところ酢を使った料理が連続していたので、別の料理がないかネットの世界に相談。
すると、風変わりなレシピが一つ。
「アジのさんが焼き」
はて?聞いたことない料理。
大葉を使うし、さっぱりした味わいなのだろう、と疑わず作ることにしました。
アジを三枚におろして、ミョウガ、小葱、生姜のすりおろし、味噌を混ぜながらたたく。
細かくなって混ざったら8等分にして、一つずつ俵型に成形。
それを大葉で包み、そのまま油を引いたフライパンへ。
少し弱めの中火で両面を焼き、中まで火が通ったら完成。
おや?途中までアジのなめろうのレシピではないかしら。
それもそのはず。
調べたところによりますと、「アジのさんが焼き」とは「なめろう」を焼いたもの。
房総半島近くの海ではアジ、イワシ、サンマなどの魚がたくさんとれます。漁師たちはとれた魚を船の上でみそといっしょに細かくたたき、「なめろう」という料理を作りました。漁師は山へ仕事に行くときには、アワビのからにあまった「なめろう」を入れて持っていき、山小屋で蒸したり焼いたりして食べました。山の家で食べた料理ということで、この料理を「山家(さんが)焼き」と呼ぶようになりました。
農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/cuisine/cuisine2_3.html
お味は、味噌がコクと深みを出していてご飯にとても合う。
なめろうもそこそこご飯を掻き込めますが、こちらも引けを取りません。
包んでいる大葉のさわやかさもあり、お皿はいつのまにか空っぽ。
ごちそうさまでした。
作っているときの苦労といえば、焼いている途中に身がぼろぼろと崩れてひっくり返しにくかったくらい。
フライ返しを使えばよかったかもしれません。
菜箸だけでやろうとすると、泣きを見ます。
もしまたアジが安かったら、挑戦してみたい一品になりました。
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